床下から気付かぬうちにひっそりと進んでしまうシロアリ被害。
「シロアリ被害に遭っているかも」と気がつくのはどんな時か?今回は、その兆候と駆除までのお話をします。
- 1.シロアリの兆候
- 1-1.4月末から6月頭までのシロアリの群飛
- 1-2.床板のたわみ
- 1-3.結露で湿っている木部の崩れ
- 2.シロアリによる被害例
- 2-1.玄関の上り框
- 2-2.結露でぬれた窓枠
- 2-3.お風呂場の入り口
- 3.シロアリ駆除業者の駆除方法
- 3-1.まずはお問い合わせから被害状況の調査へ
- 3-2.シロアリがいたら、さあ駆除です
- 3-3.シロアリは本当に駆除できた?
1.シロアリの兆候
1-1.4月末から6月頭までのシロアリの群飛
4月末から6月頭、5月のゴールデンウィーク期間中のハネアリの群飛。群飛とはハネアリが群れて飛ぶことです。
ハネアリの女王アリは卵を産み続けるので、群れはどんどん大きくなります。
そのためシロアリにとって巣が小さくなり、ハネアリが群飛し、新しいシロアリの巣をつくるための準備を行う必要があります。
4月末から6月頭の群飛は、シロアリのハネアリの群飛。この時期はほぼシロアリとみて間違いないでしょう。何故ならこの時期はクロアリのハネアリは群飛しないためです。
1-2.床板のたわみ
普通に床がきしむ場合は違うのですが、床板がたわむというか、例えば、フカフカするような沈み方、きしむというよりはたわむようなかんじです。
特に、お風呂場の入り口など湿気の多い所、さらに玄関の上り框などをシロアリが好みます。
お風呂場の入り口などは、お風呂場から出た後に濡れたままいて、床も濡れ、そんなことの繰り返しで、床が湿って腐ります。床の木部が腐ったところをシロアリが嗅ぎ付け巣をつくる、といった具合です。
また上り框は通気口がないので湿気がこもりやすく、また人の出入りが多いので、やはり床が湿りやすくなっています。
そういった場所はシロアリが好むところ。その場所で床がたわむような沈み方をした場合、その下では木部がスカスカになっていて、シロアリの巣がある可能性があります。
1-3.結露で湿っている木部の崩れ
結局、家の中の木部の湿っている部分は、シロアリにとっての食べ物になりやすいという事です。
結露などで湿っている部分に手を置いたときに、バリバリっと崩れたら…
それはシロアリが木部の内部を食べ荒らしていると思ってください。
2.シロアリによる被害
2-1.玄関の上り框
玄関の上り框がシロアリに食べられた被害例となります。
木部が食われ、上を歩くとブカブカしていました。
2-2.結露でぬれた窓枠
窓枠、窓の周りの被害例です。
結露などで木部が湿り、放置しておくと木部が腐ってきます。
シロアリはそれを見逃しません。
2-3.お風呂場の入り口
お風呂の出入り口などは家の中でも特に湿度が高い所。
湿ったままだと木部が腐ります。
そしてシロアリが巣をつくり木部を食い荒らすのです。
3.シロアリ駆除業者の駆除方法
3-1.まずはお問い合わせから被害状況の調査へ
「床がきしんでいるのですが?」
「近所に白蟻が出たのですが、とっても心配で…」
「実家に入ったのですが、シロアリがいそうで心配で…」
「お風呂場の柱がぐずぐず。シロアリがいるのですが…」
「子供が上がり框を踏み抜いて、そこに」
さあ、シロアリ駆除業者の出番です。
業者は、まず何をするかご存知ですか?
床下などの被害箇所のシロアリの調査をまず行います。
でも、入れないこともありますよね。畳を上げて、床板をはずせば床下に入れます。
和室を洋室にリフォームした、リフォームで床下収納をつぶしたなどは入れないこともあります。
そんな時、和室があると便利。和室がない場合は、通気口からのぞき込むぐらいしか方法がありません。
今の家は、基礎パッキン工法で通気口がないので確認ができないのも多いのが悩みです。
そんな時は基礎図面を見て、床のどこに点検口を作れば床下全体を調査できるか確認します。
点検口を開けるのは、いわば大工工事なので一苦労です。(点検口を開けるのに料金が生じる場合が駆除業者が大半です。)
通常は無料調査ですが、出直し調査で点検口をあけるのは、やはり料金がかかるようです。
と、ここまで徹底して行うシロアリ駆除業者は優秀な方でしょうか。
調査がめんどくさいと考える業者は、「(床下が)見えるようになったら言ってください。」と帰っちゃう所もあるようです。
こういう手合いはシロアリ駆除業者の中でも大手に多いかも…
調査の際は通常はシロアリの証拠写真をしっかり撮ります。
昔の悪徳業者で、ポケットにシロアリを忍び込ませて… なんてのも聞きますが、今でもいるのでしょうか?
3-2.シロアリがいたら、さあ駆除です
シロアリ駆除には専用のシロアリ駆除薬剤を吹き付けます。
シロアリ駆除の薬剤は液体で、みなさんが思っている以上にジャボジャボ撒きます。
十坪のお宅で、木部処理剤を10リットル、土壌処理剤は30リットルが最低ライン。
これでも少ない。90リットル、撒く場合もあります。
ここまでまかないと駆除できません。
床下はびしょびしょになるでしょう
駆除剤の臭いは、ほとんどしません。昔はすごかったようですが…
シロアリはゆっくりと死にます。
ゆっくりと死ぬのは、体に薬剤をつけたまま仲間と触れ合いさせるため。
触れたシロアリもまた、他のシロアリを巻き込みながらゆっくりと死んでいきます。
シロアリの女王も、もちろん死にます。
つまり巣を全滅させることが目的の薬剤となっています。
ただ、これだけで済むのは軽度の場合。
重度の場合は、どこから、そしてどこまでシロアリがいるのかを把握、判断して、シロアリの消毒剤を入れます。逃したらシロアリはまた巣を作ってしまいますからね。
どこまで被害が進行しているかなど、なのでこのシロアリ調査は本当に大切です。
床下に調査に入ることができない場合…
配管を撃ち抜かないように、打診と経験で穴をあけ、全ての被害箇所に薬がかかるように作業します。ここら辺は職人技ですね。
シロアリ駆除業者はまた、被害箇所の原状復帰も行う場合があります。
3-3.シロアリは本当に駆除できた?
さて、本当にシロアリが駆除できたかどうかの判断は、駆除した次の年に群飛があるかどうかです。通常は駆除薬剤をまけば、5年保証があるので安心です。
それ以上長期にわたって効く薬は逆に人体に危ないので、最近はやりませんね。
自然に還る、自然に分解される薬を使いましょう。
見えないところのシロアリをちゃんと駆除する、その徹底ぶりや、養生の仕方、さらに、プロが一番気を付けているのは、生き残りを残さないことです。
20匹だけでも生き残っていると、シロアリコロニーが復活すると言われています。
駆除を徹底しないと、シロアリは生き残ります。
ほんとのちょっと予防剤がかかっていないだけで、ちょっとの糸だけが通るぐらいの隙間でも、シロアリは復活して登ってきます。
シロアリ駆除はやはり専門業者に任せてください!!
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